外国人のNPO法人設立は可能か

 

外国人がNPO法人を設立して、理事や監事に就任することはできるのでしょうか。

結論からいうと、外国人がNPO法人設立し、理事や監事に就任することは可能です。

ただし、外国人の場合、いくつか注意することがあります。

 

NPO法人の理事や監事等の外国人役員は住民登録をしてから手続きをする

まず、NPO法人設立の際には日本の住民票にかわる書面が必要ですので、住民登録をしておくと後の手続きが楽です。

もちろん本国の住民票やそれに類するものであってもよいのですが、海外の場合、一般に、日本住民票のような制度がないため、現地公証人に住所の認証をしてもらう等、面倒な手続きが発生します。

したがって、NPO法人設立の際には、理事や監事等の役員はまずは日本に住民登録をしたうえで手続きをすすめるようにしましょう。

 

外国人役員は在留資格(就労ビザ、配偶者ビザ等のビザ)に注意!

日本人の場合、NPO法人を設立して、理事や監事に就任することができる=NPO法人の理事や幹事として活動できる、となります。

しかし、外国人の場合、理事や監事に「就任することができる」ことと理事や監事として「活動ができる」ということとは全く別です。

活動をするためには「経営管理ビザ」や「人文知識・国際業務ビザ」等の活動に合った就労ビザや配偶者ビザ等のビザ(在留資格)を取得する必要があるからです。

在留資格(就労可能なビザ)がないのに理事や監事として働いていると、不法就労になりかねません。 万が一不法就労が発覚した場合、原則として在留資格を取り消され、帰国することになります。

したがって、外国人役員の方は、在留資格には十分注意し、不安な方はビザ専門の行政書士に相談するようにしてください。

 

NPO法人で従業員の就労ビザは取得できるのか?

公益社団法人、公益財団法人、一般社団法人、一般財団法人と同様、NPO法人等でも外国人を雇用できます。

外国人社員の就労ビザの要件は、株式会社や合同会社の場合とほぼ同じです。

したがって、NPO法人でも就労ビザの取得要件を満たすことができれば従業員の就労ビザは取得可能です。

そして、就労ビザとしては、例えば「技術・人文国際業務ビザ」と「企業内転勤ビザ」があります。

「技術・人文国際業務ビザ」で認められる活動としては、通訳者、翻訳者、海外取引業務、IT関連技術者、機械などの設計者、新製品の開発技術者、土木建築の設計者があります。

この他に、「企業内転勤ビザ」というものがあります。このビザは、海外にある自社の子会社や支店などに勤務する人材を日本に招へいする場合に使います。

 

ただし、NPO法人においては、あまり外国に本店や支店がある場合は多くないため、通常は「技術・人文国際業務ビザ」で就労ビザを取得するケースが多くなると思います。

その他、NPO法人においては、株式会社の場合とは違い、非営利の活動が多くなるため、経営の安定性に欠ける場合があります。

そのような場合は、就労ビザは許可されませんのご注意ください。

 

以上が外国人がNPO法人を設立する場合の注意点です。

 

当事務所のサービス

なお、当事務所では、外国人のNPO法人設立についても、多数の実績があります。

また、国際法務事務所として、外国人の経営管理ビザ、就労ビザ等の在留資格(ビザ)申請も多数行ってきております。

中国人、韓国人、アメリカ人等の外国人の方でNPO法人の設立をお考えの方はどうぞお気軽にご相談ください。